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会員卓話

「春のスギ・ヒノキ花粉症」

中島 康夫君

 今や国民の4人に1人以上が羅患し、“国民病”と言える毎年の「春のスギ・ヒノキ花粉症」についてです。

①アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー(ハウスダスト、室内ダニ、ペットの毛等)と季節性アレルギー(主に花粉)に大別されます。

②症状は、四大症状(くしゃみ、水様性鼻汁、鼻閉、眼のかゆみ)に加えて、のどや皮膚のかゆみ、せき等のこともあります。なお、羅患者のQOL(生活の質)や労働生産性の低下が、社会的に問題視されており、「たかが鼻炎」ではない方もいるのです。

③発症の要因として、遺伝、花粉の飛散の他に、大気汚染、ストレス、自律神経、寒暖差、地球の温暖化等の関与もあります。そして、その発症は“突然”なのです。

④診断の第一は、問診と鼻内所見ですが、確定診断は特異的IgE抗体検査です。

⑤シーズンでのインターネット等による花粉情報のチェック、外出時のマスクやメガネの使用、帰宅時の花粉そのものへの対処、花粉対策用のグッズの活用、空気清浄機等による予防も大切です。

⑥完治を目的とする治療として、近年、舌下免疫療法が登場しております。対象の抗原(アレルゲン)は、目下スギとダニです。なお私の次男の「かみさと耳鼻科」ではこの対応が可能です。

⑦今日での治療の中心は、内服薬と外用薬による対症療法ですが、ステロイド注射、鼻内手術、電気焼灼術、レーザー手術等を行うこともあります。

 いずれにしましても、花粉症とは上手に付き合っていきましょう!