飯田市は年1,000人の人口減少に直面しています。主な原因の1つに、地元高校生のほとんどが飯田地域の良さを認識せずに地域外に転出し、帰飯者が少ない事です。そこで飯田南ロータリークラブの青少年奉仕活動は、子供たちが地元の良さを実感できるお手伝いが出来ればと思っております。
特に「青少年功労賞」は、この地元の素晴しさを地域外に発信してくれた飯田下伊那の青少年を表彰、奨励金を贈り、更なる発展を期待する賞で、当クラブの青少年奉仕活動の原点です。
今年度の受賞団体は、松川高等学校の「ボランティア部」です。
~ 花という笑顔を東北へ ~
松川高校ボランティア部は生徒会事業から引継ぎ、宮城県石巻市で花開いたペチュニアの種子を譲り受け、それを松川町民と共に育て、被災地へ届けることで「花」を通しての交流で被災された方々に笑顔を贈ることを目標に活動を行っています。
~ 記憶をつなぐお手伝い ~
また、戦前・戦中に国策の農業移民として旧満州(中国東北部)に渡った元満蒙開拓団の証言映像の文字起こしにも取り組んでいます。「減り続ける証言者の記憶を遺していくために自分たちにできることを」と元開拓団員一人一人の戦争に、若者たちが光を当て、記憶をつなぐお手伝いをされています。満蒙開拓に関連する映像や文書、元開拓団員ら語り部の会への参加を通して、旧満州の歴史を学び、昨年5月から満蒙開拓平和記念館(阿智村)で月に1度の展示ガイドとして開拓の史実を来館者に伝えています。
本日はその素晴しい功績を称え、また今後のご活躍を祈念して飯田南ロータリークラブより「青少年功労賞」を贈呈致します。
11月20日の第2606例会は、青少年奉仕委員会の担当で『青少年功労賞贈呈式』を行いました。今年度は「松川高校ボランティア部」の皆さんです。小島委員長の挨拶に始まり、田中正彦委員による選考理由の説明、そして橋上会長から表彰状の贈呈が行われました。それを受けて宮澤副部長より『南信州の若者に光を当てる青少年功労賞』受賞に対する感謝の言葉がありました。(大平部長さんは受験で欠席とのこと、健闘をお祈りします)
贈呈式に続き、日頃のボランティア活動の発表がありました。内容以前に発表された三人の生徒さんはそれぞれに礼儀正しく、充分に準備された様子が伝わってきました。その真剣さ・真摯さに会場の雰囲気も引き締まり、私が確認したところ居眠りをする不届き者は“ゼロ”でした。
松川高校ボランティア部は、地域ボランティア活動・東北支援交流活動・国際支援活動を中心に総勢19名で年間70日以上活動しています。具体的には、『花という笑顔を東北へ』の合言葉の下、石巻市で採れたペチュニアの種子を松川町民と一緒に育て(今では特産品のリンゴ1500㎏も一緒に)被災地に届けたり、阿智村の満蒙開拓平和祈念館で月に一度の展示ガイドをしたり、子ども食堂や国際交流の夕べへの協力、東京パラリンピックで松川町がホストタウンとなるコスタリカへの国際理解を深める活動など、本当に多岐に渡ります。それらの活動を通して自己肯定感を養ったり協働の心やコミュニケーション能力の必要性を実感したりと、彼らは成長の場として大いに活用している様子です。
若い彼らの姿を目にして、身につまされる想いと共に大いに勉強になる(考えさせられる)例会となりました。
報告者:青少年奉仕委員会 副委員長 伊藤 敏宏
2020年11月23日(月・祝)の「南信州新聞」に当日の記事が掲載されました。