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ゲスト卓話 (株)リックス 熊谷 弘様

「SDG’sと欧州から見た私の暮らし」

 10月11日に(株)リックス代表取締役社長の熊谷弘様をお迎えし、「SDGs(持続可能な開発目標)と欧州から見た私たちの暮らし」というテーマでご講演頂いた。

 

 SDGsとは、2021年に国連で採択されてた持続可能は開発目標であり、社会・経済・環境の3つの柱から成り立っているものである。

 

 長野県では2048社がSDGs推進企業制度に加入し取り組みを進めている。世界のSDGsランキングは4年連続で1位がフィンランド、2位がスウェーデン、3位デンマークと続きヨーロッパが上位を占める。

 日本は166カ国中18位であり、17の目標のうち達成しているのは1つのみで、5つの重要な課題と6つの深刻な課題がある。

 

 世界幸福度ランキングの1位は6年連続でフィンランド、2位デンマーク、北欧を含むヨーロッパ諸国が上位を占めている。日本は51位。特に「人勢の主観的満足度」が低く、150カ国中110位となっている。

 

 デンマークの幸せの秘訣は、充実した社会制度、貧困各社の少なさ、政府への高い信頼度、高い投票率が特徴である。教育への高い投資、大学教育の無償化や学生への経済支援など教育に力を入れている。非競争的な教育システムで、子供の自己肯定感を高める教育を実践。「ヒュッケ」という文化や、世代を超えた一致団結した活動も幸福度の高さに寄与している。

 

 ドイツの環境に配慮した都市計画では、フライブルグ市の市庁舎は900枚の太陽光パネルで覆われ、エネルギーのほとんどを自給自足している。SCフライブルグのサッカースタジアムは風力発電や太陽光発電で運営されており、市民も投資に参加している。同市の「ヴォーバン地区」では車の進入制限をし、自転車や路面電車を主な交通手段としている。環境に配慮した住宅設計も特徴的である。

 

 日本の教育とSDGsの取り組みの関係性は、日本の新学習指導要綱改定により、子供達もSDGsについて学んでおり、経済・環境・社会(コニュニティー)のバランスが今後重要になってくる。信州では一人一人に合った教育の実践校検討会議が始まり、子供を中心に捉えた教育改革が進行中である。

 

 最後に、SDGsの中で最も重要なのは教育であり、子供も大人も生涯学び続け、人のつながりを大切にしながら持続可能な地域づくりを目指すべきであると、本日の講演内容から学びを得た。

報告者:国際奉仕委員長 柴田 洋忠